
新型インフルエンザの流行を身近に感じることが増えつつある10月上旬である。取材するバンドのメンバーがひとり欠席していたことが1回、取材当日に”すいません、○○○(←有名ビジュアル系バンドのボーカリスト)がインフルエンザになっちゃいまして”と連絡が来て、インタビューそのものがなくなってしまったことが1回、そして、取材の翌日、そのアーティストのホームページに”インフルエンザのため、以下のイベント・ライブをキャンセルさせていただきます”と告知されたことが1回。3つめのケースは、ウィルスに罹患していたであろうアーティストとみっちり1時間話したわけだが、しかもそのとき同行していた20代の女性編集者はちゃっかりうつってしまったのに、僕はまったく平気であった。アレルギー体質のせいもあり秋はいつも調子が良くなくて(秋の花粉症で悩んでる人も多いと思うのだが、あまり話題にはならない)、今年も例年どおり”だるいー眠いー”っていう感じではあるのだが――という会話を同世代の男性編集者と交わしていたところ、彼は”印象に過ぎないですけど、若い人のほうかうつりやすい気がしますね。30代後半から40代はわりと大丈夫っぽいです”と言っていた。高齢者のなかにはすでに免疫を持っている方もいるという報道もあるし、年齢と関係あるっていう説はそれなりに説得力があるような気がする。あなたはもう40代、つまり中年なんですよ、という現実を見せ付けられてるのは複雑だが。
そういえば最近、”いっしょに仕事をする人の年齢が上がってきたなあ”と感じることがよくある。このコラムでも何度か書いたことがあるが、ここ数年、音楽雑誌が売れないという状況が続いている。そうなれば当然、新しいスタッフの募集も少なくなるわけで、ずっと仕事をしているスタッフの年齢だけが上がっていくということになるのだ。決して良いことではないが、まあ、しょうがないといえばしょうがない。
まったく余計なお世話ではあるが、女性編集者がほとんど結婚しない、ということもちょっと気になる。編集者は女性の割合が高い職業だと思うのだが(スタッフ全員が女性、という編集部も珍しくない)、30代後半になっても40代になっても、20代のときと変わらない様子で仕事を続けている。以前、ある女性ミュージシャンの取材で(そういえば彼女も30代半ばだった)”婚活”の話になったとき、同席してた女性編集者は「仕事が楽しいというより、忙しすぎて婚活なんかできないですよ。ほぼ毎日、終電まで会社にいるし、週に1回は徹夜だし」と言っていた。そういう状況が当たり前になってる、ということがいちばんの問題なのかもしれない、もしかしたら。ただ、育児休暇がしっかり取れる大手の出版社の場合は、「結婚します」「子供ができました」という話をちょくちょく聞いたりもするので、「そうかー結局は収入とか休職の制度の問題なんだなー」なんて思ったりもする。うーむ、やはり音楽誌業界の将来はあまり明るくないのかもしれない(と思っていたら、たった今、ある音楽系出版社の社員から「同僚と1月に結婚します。結婚式、来てくださいねー」という連絡が! おお、最後に明るい話が書けてよかった/笑)